家内労働法を守ろう!
家内労働法とは、家内労働者の労働条件の向上を図り、家内労働者の生活の安定に資するため、家内労働手帳の交付の徹底、工賃支払いの確保、最低工賃、安全衛生の措置など、家内労働者に関する最も基本的な事項について定めた法律です。なかでも安全及び衛生の確保については、災害を防止するために必要な措置をとらなければならないと定められており、違反すると処罰の対象となります。
委託者の方へ
家内労働は、一般に、家内労働者の自宅を作業場として行われ、その作業環境は、家内労働者自らが管理しているので、そこから発生する危害については、すべて委託者の責任ということではありません。しかし、委託者が委託業務に関して一定の機械器具または原材料などを家内労働者に譲渡、貸与または提供する場合には、これらによる危害を防止するために、委託者が「家内労働法施行規則」で定める安全・衛生措置を講じなければなりません。
家内労働者の方へ
家内労働者は、委託者から譲渡、貸与、提供を受けたもの以外の機械・器具を使用するときには、安全装置の取付け、構造規格適合の確認、防護措置などについて、委託者が講ずべき措置に準ずる措置を講じるように努めなければなりません。
家内労働者及び補助者が守らなければならない事項(危険有害業務別/家内労働法第17条等)
プレス機械、研削盤等を使用する作業
①委託者から、災害防止のために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、その書面を作業場の見やすい場所に掲示し、それを守るように努めなければならない。②満18才未満の者は、動力により駆動されるプレス機械の金型やシャーの刃部の調整や掃除をしないように努めなければならない。
③委託者以外の者から入手した機械で、安全装置や防護装置等がないものについては、安全装置や防護措置を講ずるよう努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
有機溶剤または有機溶剤含有物を使用する作業
①委託者から、有機溶剤中毒と引火による火災を予防するために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、それを見やすい所に掲示し、それを守るよう努めなければならない。②有機溶剤等を委託者以外から入手した場合は、有機溶剤等が漏れたり、蒸気が発散したりすることがない容器を使い、その見やすい所に有機溶剤等の名称と取扱い上の注意事項を記載しなければならない。
③屋内作業時は、有機溶剤等の蒸気が拡散しないように、換気のための設備を設けるよう努めなければならない。換気設備がないときは、国家検定に合格した有機ガス用の防毒マスクを使用しなければならない。
④有機溶剤等を火に近づけたり、注いだり、ふたをしないで放置したりしてはならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
織機や工業用ミシン等を使用する作業
①委託者から、災害を防止するために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、その書面を見やすい所に掲示し、それを守るよう努めなければならない。②委託者以外の者から入手した機械で、安全装置や防護装置等がないものについては、必要な防護措置を講ずるよう努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
粉じんを発散する作業
①委託者から、じん肺を予防するために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、それを見やすい所に掲示し、それを守るよう努めなければならない。②満18才未満の者は、粉じんを著しく発散する場所で業務に従事しないように努めなければならない。
③屋内作業場で、研磨材を使用して動力により研磨する業務では、局所排気装置または粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備を設けるよう努めなければならない。
④局所排気装置等がないときは、国家検定に合格した防じんマスクを使用しなければならない。
災害事例と対策
鉛または鉛化合物を使用する作業
①委託者から、鉛中毒を予防するために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、それを見やすい所に掲示し、それを守るよう努めなければならない。②鉛等を含んでいる絵具や釉薬を委託者以外の者から入手した場合は、その絵具や釉薬が漏れたり、発散したりするおそれのない容器を使用しなければならない。また小分けして使用する場合は、その容器の見やすい所に絵具や釉薬の名称と取扱い上の注意事項を表示しなければならない。
③女性及び満18才未満の家内労働者または補助者が、鉛等の蒸気や粉じんを発散する場所で業務に従事しないように努めなければならない。
④屋内作業場で鉛等を取り扱う業務では、局所排気装置、全体換気装置または排気筒を設けるよう努めなければならない。
⑤鉛等の蒸気や粉じんが発散する場所で業務に従事する場合、局所排気装置や全体換気装置がないときは、国家検定に合格した防じんマスクを使用しなければならない。
災害事例と対策
木工機械を使用する作業
①委託者から、災害を防止するために必要な注意事項を記載した書面を交付されたときは、その書面を見やすい所に掲示し、それを守るよう努めなければならない。②女性および満18才未満の家内労働者および補助者が、丸のこの直径が25cm以上の木材加工用の丸のこ盤に木材を送給する業務、または手押しかんな盤や単軸面取り盤の取扱い業務に従事しないよう努めなければならない。
③委託者以外の者から入手した機械で、安全装置や防護装置等がないものについては、必要な防護措置を講ずるよう努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
委託者が守らなければならない事項
(危険有害業務別/家内労働法第17条)
プレス機械、研削盤等を使用する作業
①委託している業務に関して、プレス機械や研削盤等を家内労働者に譲渡したり、貸与や提供をしたりする場合に、委託者は次のことを行わなければならない。(1)動力プレス機械、研削盤や研削といしが、構造規格に適合しているか確認すること
(2)プレス機械には、検定に合格した安全装置を取り付けること
(3)作業者に危険を及ぼすおそれのある部分には、囲い、覆いを設ける等、必要な防護措置を講じること
(4)災害を防止するために必要な注意事項を記載した書面を家内労働者に交付すること
②満18才未満の家内労働者や補助者に、動力によるプレス機械の金型やシャーの刃部の調整や、掃除の業務に従事させないように努めなければならない。
③家内労働者や補助者が、災害防止のために安全装置その他の設備の設置や健康診断を受診しようとするときは、必要な援助を行うように努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
有機溶剤または有機溶剤含有物を使用する作業
①委託している業務において使用する有機溶剤等を家内労働者に譲渡したり、提供する場合は、委託者は次のことを行わなければならない。(1)有機溶剤中毒と引火による火災を予防するために必要な事項を記載した書面を家内労働者に交付しなければならない。
(2)有機溶剤等が漏れたり、蒸気が発散したりすることがない容器を使い、その見やすい所に有機溶剤等の名称と、取扱いにあたっての注意事項も記載しなければならない。
②有機溶剤の作業をする人が有機溶剤中毒と引火による火災を防止するための設備を設置しようとしたり、健康診断を受診しようとするときには、必要な援助をするように努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
織機や工業用ミシン等を使用する作業
①委託している業務に関して、動力で駆動する機械を家内労働者に譲渡したり、貸与や提供したりする場合に、委託者は次のことを行わなければならない。(1)機械の原動機、回転軸、歯車、プーリ、ベルト、シャフトの止め具等で巻き込まれたり、かみ込まれる等、作業者に危険を及ぼすおそれのある部分には、覆い、囲い等の防護措置を講じること
(2)災害を防止するために必要な注意事項を記載した書面を家内労働者に交付すること
②家内労働者や補助者が、災害防止のために安全装置その他の設備を設置しようとするときは、必要な援助を行うように努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策
粉じんを発散する作業
①委託している業務において、粉じんを発散する原材料を家内労働者に提供している場合は、じん肺を予防するために必要な注意事項を記載した書面を家内労働者に交付しなければならない。②満18才未満の家内労働者や補助者が、粉じんを著しく発散する場所において、業務に従事することとなるような委託をしないように努めなければならない。
③家内労働者や補助者が、じん肺の予防のために、局所排気装置やその他の設備を設置しようとしたり、健康診断を受診しようとするときは、必要な援助を行うよう努めなければならない。
災害事例と対策
鉛または鉛化合物を使用する作業
①委託している業務において、鉛等を家内労働者に譲渡し、提供する場合には、次のことを行わなければならない。(1) 鉛中毒を予防するために必要な注意事項を記載した書面を家内労働者に交付すること
(2)鉛等を含んでいる絵具や釉薬の容器は、その絵具や釉薬が漏れたり、発散したりするおそれのない容器を使用すること
(3)容器の見やすい所に、その絵具や釉薬の名称と取扱い上の注意事項を表示すること
② 女性及び満18才未満の家内労働者または補助者が、鉛等の蒸気や粉じんを発散する場所で業務に従事することとなるような委託はしないように努めなければならない。
③家内労働者または補助者が、鉛中毒の予防のために、局所排気装置その他の設備を設置しようとしたり、健康診断を受診しようとするときには、必要な援助を行うよう努めなければならない。
災害事例と対策
木工機械を使用する作業
①委託している業務に関して、木工機械を家内労働者に譲渡したり、貸与や提供をしたりする場合に、委託者は次のことを行わなければならない。(1)木材加工用丸のこ盤には、割刃その他の反ぱつ予防装置を取り付けなければならない。
(2)木材加工用の丸のこ盤には、歯の接触予防装置を取り付けなければならない。
(3)手押しかんな盤には、刃の接触予防装置を取り付けなければならない。
(4)接触予防装置については、それぞれの構造規格に適合していることを確認しなければならない。
(5)手押しかんな盤の刃物取付け部が丸胴であることを確認しなければならない。
(6)木工機械の原動力、回転軸、歯車、プーリ、ベルト、シャフトの止め具等で巻き込まれたり、かみ込まれたりする等、作業者に危険を及ぼすおそれがある部分には、覆いまたは囲いを設ける等、必要な防護措置を講じなければならない。
(7)面取り盤には、刃の接触予防装置を取り付けなければならない。作業の性質上、接触予防装置を取り付けることが困難な場合には、工具を譲渡し、貸与し、または提供しなければならない。
(8)災害を防止するために必要な注意事項を記載した書面を家内労働者に交付しなければならない。
②女性および満18才未満の家内労働者および補助者が、丸のこの直径が25cm以上の木材加工用の丸のこ盤に木材を送給する業務、または手押しかんな盤や単軸面取り盤の取扱い業務に従事するような委託をしないよう努めなければならない。
③家内労働者や補助者が、災害防止のために安全装置、その他の設備を設置しようとするときは、必要な援助を行うように努めなければならない。
ヒヤリハット事例・災害事例と対策